国際科学プロジェクト「アルゴ計画」20周年
当社は、国立研究開発法人・bet365 通貨研究開発機構(理事長:松永 是)から国際科学プロジェクト「アルゴ計画」(注1)を支える自動bet365 通貨観測装置(略称:Argoフロート)(注2)の投入協力に対する感謝状を、民間企業として初めて授与されました。
当社は、同機構と「全球(注3)におけるbet365 通貨観測装置の設置協力について」の覚書を2010年11月19日に締結してから現在に至るまでの10年間、継続的にArgoフロートを投入することによるアルゴ計画の推進、及び国際連合の定める持続可能な開発目標(SDGs)達成への一助となる貢献をしたことが評価されました。
同機構は、世界中で稼働している約4,000台のArgoフロートのうち、約200台を常時運用しています。また、関係機関の協力のもと、毎年約40-100台のArgoフロートを新たにbet365 通貨に投入しています。
当社は、関係機関が所有する船舶ではアクセスが難しく、Argoフロート設置密度が低くなりやすい太平洋の遠洋海域で同機構に協力しています。具体的には、同機構の依頼に基づき、当該海域を通過する所有船舶を選定し、Argoフロートを投入する活動を10年間毎年継続しています。この活動により、当該海域から密度の高いデータを取得できるようになりました。
Argoフロートによる観測成果は、世界中の科学者の調査・研究に活用されており、これにより得られた知見は、国連に設置されている「気候変動に関する政府間パネル(注4)(IPCC)」(注5)のまとめる報告書等を通じて、国際的な地球温暖化対策の枠組や、各国の気候変動対策における政策決定に活用されており、近年ではエルニーニョに関する気候変動予測や、より身近な天気予報の精度向上などにも貢献しています。
当社は今後も、所有する豊富な船舶と航路を活用し、関係機関が所有する船舶ではアクセスが難しい遠洋へのArgoフロート投入を継続します。
当社グループは2018年に策定した中期経営計画“Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green”においてESGを経営戦略に取り込み、bet365 通貨活動を通じてSDGsの達成に貢献する活動を推進しています。Argoフロート投入によるアルゴ計画推進協力活動もその取り組みの一環です。
(注1)アルゴ計画
世界気象機関(WMO)、ユネスコ政府間bet365 通貨学委員会(IOC)等の国際機関および30の国・地域・関係諸機関の協力の下、全世界のbet365 通貨の状況をリアルタイムで監視・把握するシステムの構築を目指し2000年にスタートした国際科学プロジェクト。アルゴ計画では当初Argoフロートを世界中のbet365 通貨で約3,000台常時稼動させることを目指していたが、現在はそれを上回る約4,000台が常時稼働している。これにより深層を除くbet365 通貨の全体構造について、約300km平均間隔(緯度・経度にして約3度毎)で実況を捉えることが可能となる。
(注2)自動bet365 通貨観装置(略称:Argoフロート)
水深2,000mから海面までの間を自動的に浮き沈みし、水温・塩分等を測定することができるフロート式の装置。アルゴ計画において気候変動や地球温暖化の研究をはじめ漁業・海運に重要な海流予測のためのデータ収集に必要不可欠な装置。
(注3)全球(ぜんきゅう)
全地球。全世界を意味する。
(注4)パネル
委員会を意味する。
(注5)気候変動に関する政府間パネル Intergovernmental Panel on Climate Change(略称:IPCC)
人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988 年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画 (UNEP)により設立された組織。現在、IPCCからの最新の評価報告書は2014年に開催された第 5 次評価報告書であり、2022年4月に第 6次評価報告書が公表される予定。
Argoフロートによる観測成果によってもたらされた科学的知見のうち、2014年に開催されたIPCC 第 5 次評価報告書に掲載されている主なものは以下のとおり。
・ bet365 通貨の温暖化は海面付近で最も大きく、1971 年から 2010 年の期間において海面から水深 75m は 10 年当たり 0.11℃昇温。
・ 1971年~2010年の40年間において、地球温暖化に伴う地球全体のエネルギー増加の60%以上はbet365 通貨の表層(0~700m)に蓄積され、約 30%はbet365 通貨の 700m 以深に蓄積されている。
・ 1950 年代以降、高塩分海域の塩分はより濃く、低塩分海域ではより薄くなる傾向があることが解明された。これにより、海域によって海水の蒸発量と降水量の違いが大きくなるように変化している事が解明された。
関連プレスリリース
参考
・アルゴ計画について(HP JAPAN Argo)
http://www.jamstec.go.jp/J-ARGO/index_j.html
以上
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